今回は現場で実際に起きたことをお話していこうと思います。
昨年、シャンプー中に体勢が崩れてリクライニング車椅子から滑ってしまい慌てたことがありました。その時には、幸いにもお客様をすばやく抱きかかえることができました。念のため病院で診ていただきましたがお怪我もなく、本当にホッといたしました。
過去に起きた事故について資料で読んだり、実際にいろいろな場面を想定して研修をしたり、勉強をしていても想定外のことが起きることを、身をもって感じました。お怪我がなかったとはいえ、今回の出来事を受け、今後の施術をお断りした方がいいのではないかとも考えました。
その後、施設様にお詫びに伺った際にご家族の意向をお聞きしました。それは「最後まできれいにしてあげたい」というものでした。年齢を重ねてお身体の自由がきかなくなっても、最後まで身だしなみを整えてあげたい、という気持ちは痛いほどわかります。お断りしたほうがいいのでは、という考えと、ご家族の意向の狭間で悩みました。
ご家族のお気持ちや、「できる限り協力する」と言ってくださった施設の皆さまの想いに背中を押され、引き続き施術をさせていただくことになり、スタッフ間はもちろんのこと、施設職員の皆さまにも協力してもらいながら、シャンプーやカットをさせていただいていました。
長くなりましたので、続きは次回お話します。